大規模太陽光発電システム用ケーブル
地球温暖化対策やエネルギー源の確保の一環として、再生可能エネルギーの利用拡大が進む中、世界各国で太陽光発電の普及が進んでいます。日本国内でも2012年7月1日から再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT; Feed-in Tariff)が始まったことで、出力が1MW(メガワット)を超えるような大規模太陽光発電所(以下、メガソーラー)の建設が急激に増加しています。
日本の「電気設備に関する技術基準を定める省令」(以下、電技)の電圧区分においては、直流では750V以下を「低圧」、750Vを超えるものを「高圧」と規定しています。従来の国内メガソーラー発電システムの電圧は、「低圧」に該当する直流600Vを採用することが一般的であり、配線も600V CVケーブルなどが使用されてきましたが、2012年6月29日に太陽光発電に関わる電技解釈が改正され、太陽光発電システム用ケーブル(以下、PVケーブル)が新たに規定されました。
システム電圧が直流1500V以下にあって、取扱者以外の者が立ち入らないような措置を講じた場所では、新たに規定されたPVケーブルが使用可能になりました。太陽光発電システムの概要をイメージ図に示します。
このたび古河電工産業電線では、直流1500Vを上限としたメガソーラー発電システムに最適なPVケーブル「PV-CQ」を開発しました。
システムを高圧化するメリット
メガソーラー発電の直流システム電圧に関しては、出力が同じならば電圧が高い方が電圧降下ロスは小さくなるので、送電ロスが低減できるメリットがあります。
また、同等の出力ならば、直流側の電圧を上げれば直列接続する太陽電池を増やすことができ、図に示すように並列回路数を減らすことができます。従来600Vの低圧システムと比較し、1000Vの高圧システムでは接続箱の数とケーブル本数を約40%削減することができ、システム全体でのコストダウンが可能になるという試算があります。
(※)ABB「太陽光発電1,000Vソリューション」
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